ESRスプレッダーロール
弊社ヘッセンブルッフ・スプレッディング・テクノロジー社では「ESR」を「効率的スプレッダーロール (EcoStretchRoll)」の省略に用いています。それは、様々な素材のウェブを拡幅するために開発された、他に類を見ない新技術です。この新システムは、ブラシスプレッダーロールを発明したロルフ・ヘッセンブルッフ氏(工学士)が開発しました。シンプルで軽量、効率の高いスプレッド要素が特徴です。スプレッド要素を装備した個々のゴムリングで、一般的に使用されているあらゆる種類のウェブ拡幅に用いることができ、フィルム、製紙、テキスタイル加工に最適です。ソフトでシワができず、効率的、そして高速ラインでもとても静かに作動します。ESRスプレッダーロールは、シワを作らず多様な素材のウェブをスムーズにガイドすることが必要とされるあらゆる場面で活用されています。
特徴
動作原理
互いに独立した特殊形状の個別スプレッド要素が拡幅効果を発揮します。どの要素にも隣接する要素から影響を受けずに動ける遊びがあり、最大限の拡幅が可能になります。それぞれわずか0.5 gしかない要素が、ウェブの圧力に非常に敏感に反応し、ロール端方向にかすかに傾くことで拡幅を行います。ロールの直径によって、ロール1m当たり1,300個から2,600個の要素が作用し、表面を傷めない完璧な仕上がりを保証してくれます。
接触面
個別スプレッド要素のわずかに湾曲した大きく滑らかな接触面は合成ゴムEPDMまたはシリコン製で、レーンでウェブをしっかりグリップします。高密度のスプレッド要素とウェブが接触する際には一切摩擦が生じず、シワを防止し、表面を最大限に保護します。
巻き取り角度
ESRはガイドロールとして、8°から180°の巻き取り角度まで、どの回転方向にも完全に機能します。
ウェブテンション
40 ~ 500 N/mのウェブテンションで、シワが完全に除去されます。広範囲のテンションが可能ですが、テンション制御の必要があります。
ウェブの厚さ
フィルムからテキスタイルまで、従来のあらゆる素材と厚さに対応。例えば、次のような場合では最高の結果を引き出します。
Biax PETPフィルム >4 µm
プラスチックフィルム >8 µm
不織布 >10 g/m²
マルチ調整
個別スプレッド要素の配列と組み合わせは様々に変えられ、ロールの幅全体にわたり拡幅を細かく調整することが可能です。個々のレーンからストライプごとにそらしても問題ありません。
ターニングバー
まさに完璧。360°変動するターニングバーシステムの要求レベルにもESRは問題なく対応します。障害となる可能性がある場合はロールによってブロックされ、ウェブはシワを除去した状態に保たれます。ESRロールは、ブラシロールやゴムコーティングされたロールなど、他のスプレッダーシステムと比較して最高の結果を出すことが専門家によって認められています。
ライン速度
個別スプレッド要素のユニークな形状により、最大800 m/minのライン速度でも確実に拡幅が可能です。柔らかいゴム製スプレッド要素が振動を減少させ、これを高品質のガイドロールに取り付けることで、高速でも静かで無振動の動作を保証します。
材料特性
EPDM:
最高110°Cの高温耐性、オゾン耐性、耐磨耗性、帯電など、非常に優れた使用特性を持つ最先端のゴム。
シリコン:
最高190°Cの高温耐性、弱粘着性、染色可、食品対応、FDA適合。
バージョン
用途と生産パラメーターに応じて、個別スプレッド要素のサイズ、形状、材質、取り付け配列の組み合わせが可。
60、110、130、150 mmの4種類の外径、EPDMとシリコンの2種類の材質からお選びいただけます。
機能は、BR(基本ロール)、ST(センシティブトリートメント)の2種類。ご要望により、スプレッドリングの色をカスタマイズすることもできます。ロールは最長7000 mmまで可能です。
ロールボディ
ドレックスハーゲ社製EconomicRoll®。アルミチューブでできた軽量ロールの本体は、その特殊形状による高い負荷容量と曲げ強度を持っています。わずかな慣性、20 g以上という非常に少ない始動重量により、ロールは反応に優れています。
組み立て
高品質のキャリアロールが組み立ての前提となります。キャリアリングと個別スプレッド要素がこのロールに取り付けられ、固定されます。ご要望に応じて、完成品のESRスプレッダーロールを納入することも可能です。その他の設定を一切行わず、ロールを現場ですぐ稼働するための追加駆動装置は必要ありません。
動作原理
構造
ESRスプレッダーロールの構造は次の通りです。個別スプレッド要素がキャリアリング上に配置。スプレッドリングが高品質のガイドロールに取り付けられ、リングは中心から外側へ、すなわち拡幅方向にアライメントされます。各スプレッドリングは直径に応じて20〜40個の互いに完全に独立して作動する個別スプレッド要素を装備しています。
ロール1m当たり、約65個のスプレッドリングが必要です。つまり1m当たり、およそ1,300個から2,600個の個別スプレッド要素が装着されています。最小重量0.5 gで部分的に変形可能なこの個別スプレッド要素は非常に感度が良く、わずかなウェブ圧力にも反応します。
用途と生産パラメーターに応じて、個別スプレッド要素のサイズ、形状、材料、レイアウトを組み合わせることができます。ESRスプレッダーロールは外径110 mm、130 mm、および150 mmの3種類で納入可能です。
効果
個別スプレッド要素は、拡幅方向にかかるわずかな圧力で変形し、ロール端方向に向かってわずかに傾いた際に生まれる小さなずれを利用して精密で効果的な拡幅運動を起こします。この運動は1回転あたり20~40回行われ、ソフトで効果的な拡幅効果を発揮します。また高速ラインとは思えないほど静かに稼働します。
接触面が大きく、ウェブ表面のシワを防止し、非常にデリケートなウェブでも問題なくシワを作らずに拡幅できます。
1 m当たりわずか1~3.3 kgの追加重量で、ESRスプレッダーロールのバランス調整と取り付けは簡単。速度800 m/minでもウェブは完全に無振動で搬送されます。